奥地の海の海賊飯 あじ

仕事をしていると、ついついおろそかになってしまう食事時間。ダイエットでは「何をどれくらい食べるのか」に気を使う人は多いけれど、「いつ食べるのか」も意外に重要かもしれませんよ。

ペンシルベニア大学で、マウスの脂肪細胞からArntl遺伝子を欠損させて観察するという、ちょっと興味深い研究が行われました。

Arntl遺伝子は脂肪細胞で多く見られる時計遺伝子の一つ。Arntl遺伝子を欠損させるということは、体内時計を司る遺伝子の一つを壊してしまうことになります。

ともあれこの実験では、通常のマウスが寝ている時間帯に、Arntl遺伝子を欠損したマウスは好んで食事をするようになったといいます。

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この実験でわかったこと

脂肪細胞は、過剰なエネルギーが生まれると細胞内に脂肪の形で貯め込んでいきます。同時にレプチンという物質を作って食べ過ぎ情報を脳に伝えます。脳はこの情報を受け取ると食欲を抑え、エネルギー消費を増やすことで肥満に傾くことを防ごうとします。

ところがArntl遺伝子を欠損したマウスのように、脂肪細胞に備わっている体内時計が壊れていると、視床下部のリズムが乱れて不適切な時間に食事をするようになり、肥満になりやすいことが示されたのです。

これまで末梢組織は中枢組織に従って動くものとされていました。末梢にある体内時計も、脳の視床下部にあるマスタークロックに従って動くものだと考えられていたわけです。

今回の実験では、末梢組織で起こった脂肪細胞の時計遺伝子の異常が、中枢性の行動である摂食行動に変化を与えたとして注目されています。

Arntl遺伝子欠損のマウスが教えてくれたこと

Arntl遺伝子欠損マウスと野生型のマウスは同じカロリーを摂取していても、Arntl遺伝子欠損マウスのほうに体重の増加が認められています。

これは遺伝子が正常なマウスでも、食事時間をずらすことで肥満が増加するそうなので、問題は食事時間にあるということみたいですよ。人間にも夜遅い食事が習慣化することでレプチンの作用が低下する夜食症候群がありますが、こうした夜食症候群の患者にも肥満傾向が認められるようです。

つまり、「食事時間がずれるだけでもエネルギーが蓄積されやすい」ということ。仕事で食事時間がずれちゃうなんてことは管理人もよくあることなので、これはちょっと気になる結果です(汗)

でも、Arntl遺伝子欠損マウスではこんな実験結果も報告されています。

Arntl遺伝子欠損マウスと比較対象の野生型マウスの脂肪組成を調べたところ、Arntl遺伝子欠損マウスは飽和脂肪酸のレベルが高く、不飽和脂肪酸のレベルが低かったというのです。

血漿中では、特にアラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)の血中濃度が低かったのだとか。

このことから、「血漿中の多価不飽和脂肪酸の濃度は視床下部の濃度を反映しているのではないか?」「視床下部の濃度の低下がArntl遺伝子欠損マウスの食事時間のずれを引き起こしているのではないか?」という仮説が立てられて、実際にArntl遺伝子欠損マウスの食事にEPAとDHAを補ったところ、マウスの正常な代謝が回復したそうです。

ちょっとびっくりするような報告ですが、こうした研究結果から、食事のタイミングを改善するために魚中心の日本食などが見直されるようになる、なんてことがあるのかもしれません。

【参考サイト】
nature medicine/Obesity in mice with adipocyte-specific deletion of clock component Arntl

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